夏の朝、鮮やかに花を咲かせる朝顔は、
涼やかな趣を感じさせます。
朝の光とともに開く姿は、
人々の暮らしに季節の移ろいを静かに知らせてきました。
朝顔は、今から千年以上前に中国から伝わったとされ、
長い年月を経て、日本独自の感性と結びつき、
生活文化の中に深く根付いてきました。
日本最大の朝顔市として知られる東京の「入谷朝顔市」は、
毎年七月六日から八日に開催され、
夏の始まりを告げる恒例行事として知られています。
入谷の朝顔は、江戸時代に御徒町周辺の武士による栽培から発展しました。
明治期には往来止めが行なわれるほど賑わい、変わり咲き朝顔が流行します。
その後、一度は衰退しましたが、戦後の荒廃した世の中を明るくしようと、
昭和二十三年、地元の人々が協力して朝顔市を再興し、
見事な復活を遂げました。
その歩みは、人と人とが手を取り合えば前へ進めることを教えてくれます。
朝顔市は、花を楽しむ場にとどまらず、
朝顔とともに受け継がれてきた人の思いや絆、そしてつながりの力を、
今も静かに語りかけているのではないでしょうか。

